約 1,944,823 件
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グローイングヴィレッジ 概要 愛知万博(愛・地球博)長久手会場の遊びと参加ゾーンにある体験プログラム。 木登りの第一人者だというジョンギャスライトがプロデュースした、変わった形の木々やツリークライミングが楽しめるという場所。 関連リンク 公式サイト
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Jヴィレッジスタジアム 交通 通常時 常磐道 広野ICから車で5分 (会場から徒歩15分程度の二ツ沼公園駐車場利用可能) JR常磐線 広野駅からタクシー(約7分) 1200円程度 なでしこリーグ(Tepcoマリーゼ)開催日 常磐道 広野ICから車で5分 (Jヴィレッジ駐車場までの無料シャトルバス運行あり) JR常磐線 広野駅から無料シャトルバス(約7分) 概要 収容人数 : 約5000名 形状 : サッカー専用スタジアム 照明設備 : あり (ただし、照度は不足気味) その他 このJヴィレッジスタジアムは、Jヴィレッジから林道を通って徒歩15分(車だと約5分)の位置にあります (要するに別の場所にあります) 小さい駐車場はありますが、開催日にはバス専用となっておりますので、自家用車で出かける場合には、近隣の二ツ沼公園駐車場(無料)、またはJヴィレッジ駐車場(無料)を利用するよう案内されています。 両サイドのゴール裏にはスタンドはなく、メインスタンド、バックスタンドのみの構造となっています。
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ピノキオ・ヴィレッジ・キッチン→ ピノキオ・ビレッジハウス レストラン:Pinocchio Village Haus 『ピノキオ』の世界観をモチーフにしたレストラン。ピノキオたちの住む村にあるという設定。 店内の壁には物語のワンシーンやキャラクターのイラストが描かれている。 マジック・キングダム 名前:ピノキオ・ビレッジハウス 原題:Pinocchio Village Haus オープン:1971年10月1日 所属:ファンタジーランド 開園当初から存在するレストラン。 ディズニーランド 名前:ピノキオ・ビレッジハウス 原題:Pinocchio Village Haus オープン:1983年5月25日 前身:空飛ぶダンボ 所属:ファンタジーランド 1983年のニュー・ファンタジーランド計画*の一環で、『ピノキオの冒険旅行』と一緒にオープン。その場所には『空飛ぶダンボ』があったが、このリニューアルによって移転した。当初は『Village Inn Restaurant』という名前であり、後に『ビレッジハウス・レストラン』に改名した。 2017年2月24日より、実写版『美女と野獣』の公開に合わせて期間限定で『レッド・ローズ・タバン』という『美女と野獣』をテーマにしたレストランにリニューアルされた。 ディズニーランド・パーク (パリ) 名前:ビレッジハウス・レストラン 原題:Au Chalet de la Marionnette オープン:1992年4月12日 所属:ファンタジーランド 開園と同時にオープン。 上海ディズニーランド 名前:ピノキオ・ヴィレッジ・キッチン 原題:Pinocchio Village Kitchen オープン:2016年6月16日 所属:ファンタジーランド 開園と同時にオープン。
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第三次スパロボキャラバトルロワイアル 2008年09月11日、スパロボキャラバトルロワイアル完結 2009年11月21日、第2次スパロボバトルロワイアル完結 長きに渡りロワ界にその存在を示し続けてきた二つのスパロワの完結はあまたの住人達に衝撃を与えた。 二度に渡るゲッター線の暴走、超人ゼストの誕生、勇者達の物語。 だが、それ以上に書き手を震撼させたのは最期に笑うものたちの存在であろうか。 いずれにしろ、数々の神話によって生み出されたエネルギーの塊は、孵る時を待つ新たな世界の卵であったのか。 2009年12月12日、第三次スパロボバトルロワイアル・開始前議論スレのともすれば拙速とも思える成立。 だがその前日、避難所にて既に参加者の内40名が決定という事態は住人を驚かせた。 避難所管理人すら知らぬその事態も、細かいことはいいんだよの精神で鎮め、着々と進む準備。 2009年12月19日、この日の開始より行われた二次投票はわずか11秒で終了。 参加者70名が決定された。 この時、だれもが卵の殻の中にあるのは、吹き荒れる嵐であると悟らされた。 そして2009年12月23日00時00分、書き手達を三度の戦いへ……そして、終焉の銀河へ導く戦鐘(ゴング)が鳴り響いた。 主催者 ヴィンデル・マウザー スーパーロボット大戦A 参加者 70名 アギーハ スーパーロボット大戦OGシリーズ アナベル・ガトー 機動戦士ガンダム 0083 スターダストメモリー アポロ 創聖のアクエリオン アマンダラ・カマンダラ 重戦機エルガイム 暗黒大将軍 グレートマジンガー 碇シンジ 新世紀エヴァンゲリオン イスペイル スーパーロボット大戦K イネス・フレサンジュ 機動戦艦ナデシコ イルイ(イルイ・ガンエデン) 第3次スーパーロボット大戦α ヴァン ガン×ソード ヴィレッタ・バディム スーパーロボット大戦OGシリーズ ウェンドロ スーパーロボット大戦OGシリーズ ウォーダン・ユミル スーパーロボット大戦OGシリーズ ウンブラ スーパーロボット大戦D エリート兵 スーパーロボット大戦F完結編 エルデ・ミッテ スーパーロボット大戦MX エルピー・プル 機動戦士ガンダムZZ 春日井甲洋 蒼穹のファフナー カズマ・アーディガン スーパーロボット大戦W カナード・パルス 機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY カノン・メンフィス 蒼穹のファフナー カラス 機動戦士クロスボーン・ガンダム ギリアム・イェーガー スーパーロボット大戦OGシリーズ 草薙剣児 鋼鉄神ジーグ 車弁慶 ゲッターロボG コウ・ウラキ 機動戦士ガンダム 0083 スターダストメモリー サウス・バニング 機動戦士ガンダム0083 ジ・エーデル・ベルナル スーパーロボット大戦Z シーブック・アノー 機動戦士ガンダムF91 紅エイジ 超重神グラヴィオン 静かなる中条 ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日 ジャミル・ニート 機動新世紀ガンダムX ジュドー・アーシタ 機動戦士ガンダムZZ ショウ・ザマ 聖戦士ダンバイン 衝撃のアルベルト ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日 シリウス・ド・アリシア 創聖のアクエリオン ジロン・アモス 戦闘メカ ザブングル シン・アスカ 機動戦士ガンダムSEED DESTINY タスク・シングウジ スーパーロボット大戦OGシリーズ 張五飛 新機動戦記ガンダムW 剣鉄也 グレートマジンガー ツワブキ・ダイヤ ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU ディアッカ・エルスマン 機動戦士ガンダムSEED Dボゥイ 宇宙の騎士テッカマンブレード ティンプ・シャローン 戦闘メカ ザブングル テッカマンアックス 宇宙の騎士テッカマンブレード テッカマンランス 宇宙の騎士テッカマンブレード テッカマンレイピア 宇宙の騎士テッカマンブレード テレサ・テスタロッサ フルメタル・パニック! 遠見真矢 蒼穹のファフナー トビア・アロナクス 機動戦士クロスボーン・ガンダム ドモン・カッシュ 機動武闘伝Gガンダム トレーズ・クシュリナーダ 新機動戦記ガンダムW 渚カヲル 新世紀エヴァンゲリオン 羽佐間翔子 蒼穹のファフナー 破嵐万丈 無敵鋼人ダイターン3 藤原忍 超獣機神ダンクーガ プルツー 機動戦士ガンダムZZ ホシノ・ルリ 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness- 真壁一騎 蒼穹のファフナー ミスト・レックス スーパーロボット大戦K 皆城総士 蒼穹のファフナー ヤマダ・ジロウ 機動戦艦ナデシコ ユウキ・ジェグナン スーパーロボット大戦OGシリーズ ラウ・ル・クルーゼ 機動戦士ガンダムSEED ラカン・ダカラン 機動戦士ガンダムZZ ルネ・カーディフ・獅子王 勇者王ガオガイガーシリーズ レイ・ザ・バレル 機動戦士ガンダムSEED DESTINY レーベン・ゲネラール スーパーロボット大戦Z ロム・ストール マシンロボ クロノスの大逆襲 外部リンク ■支援サイト 第三次スパロボバトルロワイアルまとめWiki 第三次スパロボキャラバトルロワイアル避難所(閉鎖) ■スレッド 第三次スパロボバトルロワイアル・開始前議論スレ 第三次スパロボキャラバトルロワイアル2 第三次スパロボキャラバトルロワイアル3 第三次スパロボキャラバトルロワイアル4 第三次スパロボキャラバトルロワイアル5 第三次スパロボキャラバトルロワイアル6(現行スレ)
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コズミック・ヴィレッジをお気に入りに追加 コズミック・ヴィレッジのリンク #bf Amazon.co.jp ウィジェット コズミック・ヴィレッジの報道 「バイオハザード ヴィレッジ」が全世界で500万本を突破!前作を上回るペースでの達成に|ゲーム情報サイト Gamer - Gamer シリーズ最新作『バイオハザード ヴィレッジ』全世界500万本販売達成!(Game Spark) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース コアゲーマーなら見逃すな!今週の特選インディー3選(10月第2週)―『バイオハザード ヴィレッジ』を『悪魔城ドラキュラ』風にしたゲーム、ローグライク×デッキ構築×ポーカーなRPGほか(Game Spark) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 「Among Us」インポスターTシャツがヴィレッジヴァンガードオンラインで販売!|ゲーム情報サイト Gamer - Gamer Steam版「バイオハザード ヴィレッジ」にてAMDのアップスケーリング・テクノロジー“FSR”への対応アップデートが配信!|ゲーム情報サイト Gamer - Gamer 「バイオハザード ヴィレッジ」よりハウンドウルフ隊のエンブレムがゴールドでデザインされたZippoが登場!|ゲーム情報サイト Gamer - Gamer 飲食店300店舗を運営するコズミックホールディングスに、ローカル検索マーケティングソリューション「uberall」を導入。 - PR TIMES PS5「DualSense」に新色到来!「コズミック レッド」&「ミッドナイト ブラック」開封フォトレポート - GAME Watch NHK BSプレミアム人気番組「コズミックフロント☆NEXT」のサウンドトラック配信限定にて本日1月13日リリース! - PR TIMES コズミック・ヴィレッジとは コズミック・ヴィレッジの68%はお菓子で出来ています。コズミック・ヴィレッジの23%は記憶で出来ています。コズミック・ヴィレッジの8%は乙女心で出来ています。コズミック・ヴィレッジの1%は魂の炎で出来ています。 コズミック・ヴィレッジ@ウィキペディア コズミック・ヴィレッジ Amazon.co.jp ウィジェット 掲示板 名前(HN) カキコミ すべてのコメントを見る ページ先頭へ コズミック・ヴィレッジ このページについて このページはコズミック・ヴィレッジのインターネット上の情報を集めたリンク集のようなものです。ブックマークしておけば、日々更新されるコズミック・ヴィレッジに関連する最新情報にアクセスすることができます。 情報収集はプログラムで行っているため、名前が同じであるが異なるカテゴリーの情報が掲載される場合があります。ご了承ください。 リンク先の内容を保証するものではありません。ご自身の責任でクリックしてください。
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バイオレット・ヴィレッジ バイオレット・キャニオンと呼ばれる山に存在する村。 旧時代から受け継いだ独自の文化を持っており、 この村の出身者は旧時代の国家『日本』の国名に由来し、 『ジャパニーズ・チルドレン』などと呼ばれることも。 ただ実際の『日本』はサムライ文化をとうに捨てており、 懐古主義者による陰謀の結果であるとの噂もある。 ちなみに『バイオレット』の名前の由来は 初代村長バイオレット=アーリアから。 (バイオレットの祖母より更に数十世代も前の話である)
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STAGE 10 or 11 or 12 1周目 2周目 3周目 1周目 先に藤堂を助けても、ここでは助けてくれないので注意。 最初はルルーシュが単独行動する。 選択肢 日本解放戦線はオトリだ アニメ通り ブリタニア軍を足止めする 爆弾でコーネリアを狙う 余談だが、上記の選択によってルルーシュの内面で日本解放戦線にふれるときの内容が若干変化する。 雑魚は弱めだが、こちらはルルーシュ一人しか居ないので時間がかかる。逃げるのも手。 イベント戦闘があるが、回復しながらスキル使えば大丈夫だろう。 イベント後は仲間と合流して進む。 メンバーはゼロ、ほか任意2名。 この辺は普通にやっていればクリア出来るだろう。 ちなみにここでようやくランスロットを倒せるようになる。 2周目 単独行動の際のイベント戦闘の敵が強くなっている。 が、こちらもガウェインなので苦戦しないだろう。 合流後、ヴィレッタを倒して進むと、ダールトン&ギルフォードと戦った後、ユーフェミア&兵士×2、そしてユーフェミア&スザクと連戦になる。 こちらの戦力が高いので苦戦する事は無いだろう。 3周目 コーネリアを戦闘メンバーに加えている場合ヴィレッタやダールトン&ギルフォードとの戦闘で追加メッセージがある。 「罪と罰」に進んでいた場合、ヴィレッタとの戦闘中にヴィレッタがゼロのことを思い出しそうになるが思い出せないメッセージが追加される。
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校庭 |校舎へ||||||||||クラブハウスへ||||| |||(ニーナ)||||||||スザク||||| |||||カレン||||||シャーリー||||| |||||||-||C.C.||(リヴァル)||||| |||||||ナナリー||||||||| |||||||||台本01||||||| |||||||-||ルルーシュ||||||| |||||||スザク||||シャーリー||||| |||||||C.C.||||ロロ||||| |||||||||-||(ミレイ)||||| |||||||||カレン||||||| |||||||||スタート||リヴァル||-||エントランスへ| 校舎 |屋上へ||||||||||||| |(ヴィレッタ)||||||||||||| |C.C.||||||||||||| |-||カレン||||||||||| |ルルーシュ||||(ニーナ*)||||||||| |(ミレイ)||||台本02||||||||中庭へ| |||賽3or4||ロロ||||||||ルルーシュ| |||||-||||||||セシル| |||||スザク||||(リヴァル)||賽2or5|| color(#CCCCCC,#FFFFFF){隠し分岐}| |||||||ナナリー||シャーリー||||| |||||||||-||||| |||||||||スタート||||| 屋上 |校庭へ||||||||||| |(ニーナ*)||||||||||| |-||ロロ||||||||| |シャーリー||||カレン||||||| |(ヴィレッタ)||||||移動01||||| |ルルーシュ||||||||(リヴァル)||| |||台本06||||||||ルルーシュ| |||||ロロ||||||ナナリー| |||||||(ミレイ)||||(咲世子)| |||||||||スザク||C.C.| |||||||||||-| |||||||||||スタート| 校舎、屋上 (ニーナ*)マスにて 移動01 5000 移動02 3000 移動03 4000 中庭 |||||体育館へ||||||||||| |||||(ヴィレッタ)||||||||||| |||||||ルルーシュ||||||プールへ||| |||||||||-||カレン||シャーリー||| |台本05||(リヴァル)||ナナリー||-||スザク||||||| |||(ミレイ)||||||||ロロ||||| |||||シャーリー||||||||(ニーナ)||| |||||||-||ルルーシュ||(ミレイ)||C.C.||賽4| |||||||スザク||||||||| |||||||スタート||||||||| 体育館 |||||校庭へ||||||||| |||||C.C.||||||||| |ルルーシュ||-||(リヴァル)||-||||||| |(ヴィレッタ)||||ナナリー||||カレン||||| |ロロ||||(ミレイ)||||||(ヴィレッタ)||| |(ニーナ)||||シャーリー||||||||ルルーシュ| |||カレン||||-||(ミレイ)||スザク||(リヴァル)| |||||スザク||台本01||||||| |||||||-||||||| |||||||C.C.||||||| |||||||スタート||||||| プール |||||||校庭へ||||||| |(リヴァル)||-||カレン||(ヴィレッタ)||||||| |賽5||||シャーリー||||-||||| |(ミレイ)||||-||||C.C.||-||| |||ロロ||スザク||||賽3or4||||-| |||||-||||ルルーシュ||||台本05| |||||||-||-||ナナリー||-| |||||||スタート||||||| 学園地下循環施設 |||||||校庭へ||||| |||||||ジェレミア||||| |-||ロロ||台本03||-||賽6||| |||||||||||-| |賽1||||||||||-| |||C.C.||ジェレミア||ヴィレッタ||台本02||ロロ| |||||-||||||| |||||スタート||||||| クラブハウス |生徒会室へ||||||||| |(リヴァル)||||||||| |カレン||||||||ダイニングへ| |||シャーリー||||||C.C.| |||||-||ナナリー||| |シャーリー||-||台本01||||| |(ミレイ)||||||ロロ||| |スザク||||||||(ミレイ)| |(ニーナ)||||||||C.C.| |ルルーシュ||||||||カレン| |||ロロ||||||(リヴァル)| |||||-||ナナリー||(ヴィレッタ)| |||||スタート||||| 生徒会室 |校庭へ||||||||| |カレン||||||||| |-||ニーナ||||||| |ミレイ||||ナナリー||||| |スザク||-||-||-||| |賽2||||-||||移動01| |||ロロ||-||台本01||ルルーシュ| |||||-||||-| |||||||シャーリー||リヴァル| |||||||||-| |||||||||スタート| ダイニング |||||校庭へ| |(リヴァル)||C.C.||ニーナ| |ロロ||||-| |ルルーシュ||||(リヴァル)| |台本03||||咲世子| |(ミレイ)||||ナナリー| |-||賽3||(ミレイ)| |スタート|||||
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JOKER 7 ◆MeiOuuUxlY 何が起こったのか分からない。 少年の心中はそれだけで占められていた。 途切れ途切れの記憶の断片が脳内でぐるぐると回り続けるも、混乱の極みにある現状ではそれが思考の形を成すことはない。 見覚えのない場所。 そこに集められた見知らぬ大勢の人間。 たくましく軍人らしき精悍な雰囲気を纏った男の演説。 質問を投げかけた仮面の男。 赤く爆ぜたその頭部。 その後で名乗りを上げた勇敢なる人物は、ヴィンデルと名乗る男に跳びかかったと思えば消えていた。 何が起こった? なぜここに自分が? 「僕は……」 「あら、可愛い子ね。人は見かけによらないとはよく言ったものだわ」 「……ッ!?」 床に手をついてうずくまるような姿勢で混乱した記憶を反芻していた少年は、どこか気怠げで妖艶さを帯びた声をかけられ、顔を上げた。 ウェーブの掛かった髪に、深いスリットの入った濃い青のドレスを纏う美しい女性が目の前に立っていた。 そこで初めて少年――碇シンジは己が先程とは違う場所にいることを理解する。 先刻は一つのホールに数十人はいただろうか。それほどの人数を収めて余りあるスペースだったが、今いるここはそれほど広くない。 せいぜい学校の教室ほどの大きさで、照明がついているだけの飾り気の無い空間だった。そこに自分を含めて九人の人間がいる。 「え、ここは?」 「さっきの話を聞いてなかったかしら? あなた達に殺し合いをしてもらうって」 戸惑うシンジに先程の女性が笑みを浮かべながら答えになっていない返答をよこした。 殺し合い……そうだ、あの男もそういっていた。 じゃあどうしろっていうんだ、ここで、この人達と、殺し合えって……? 「あら、そんな顔しないで。まだゲームはスタートではないわ。機動兵器に乗って戦ってもらうと言っていたじゃない。 まずはその兵器の受け渡しをしなきゃね。それから戦場となる場所へ転移してもらうわ」 「待て。お前はあのヴィンデルとかいうやつの仲間なのか!?」 そう言って割って入ってきた少年はシンジと同年代くらいだろうか。 だが表情はきつく、目の前の女性に向かって鋭い視線を叩きつけるその容貌は、クラスの同級生には見られないものだった。 シンジならばすくみあがってしまうであろう怒りを含んだ問いにも女性は全く動じず、自分の首のあたりを指差す。 そこには何もない。 首がどうかしたのか。 自分の首には、金属の輪が――、 「――!!」 「首輪がない……!」 「そうよ、張五飛。私はレモン・ブロウニング。シャドウミラーの一員。よろしくね」 「貴様!」 レモンと名乗った女性以外の、この部屋にいる全ての人間が息を飲んだ。 一番近い位置にいるのはシンジと、そしてウーフェイと呼ばれた少年だ。 掴みかかろうとすれば可能な距離。だがそれをしない。 格闘技の経験など皆無なシンジならばともかく、見るからに鍛えていそうな体つきのウーフェイですらも。 ユーゼスという仮面の男が首輪を爆破された様、そしてロム・ストールと名乗った男が瞬間移動させられた様を誰もが見た。 迂闊に反抗するのは得策でないと思うのは無理からぬことだろう。 「さて……おめでとうと言わせていただくわ。あなた達はラッキーよ」 「何だと……!?」 この状況のどこがラッキーなのか。 今にも掴みかからんばかりのウーフェイ以外にも気色ばんだ何人かがレモンを睨んだ。 それをどうということもなく受け流し、涼し気な笑みすら浮かべて彼女は言葉を続ける。 「あなたたちには特別に強力な機体を支給してあげる。もっともタダではないのだけれど」 「目的は何?」 「目的……とはどういう意味かしら? 強力な機体があればあなた達にもいいことじゃない?」 「そうじゃない、私達を殺し合わせるその意味について聞いているのよ」 切れ長の眼を持ち、背の高い妙齢の女性だった。 気怠げで退廃的なレモンとは違う、飾り気の少ない凛とした雰囲気を持っている。 言われてみればもっともな話だ。 そもそも何が目的でこんなことをするのか。 聞きたいことは山ほどある。 「知ってどうするのかしら。あなた達にとって今一番大切なことは『殺さなければ殺される』という、ただそれだけのことよ」 「そうやって生き残っても助かるという保証はどこにもないんじゃないかしら?」 「保証が欲しいの? 私が保証すると言ったところで信用するとは思えないけれど。 それにそんなものは殆ど意味がないことよ。どうせ一人を除けば皆死ぬ運命なのだから」 ふう、とレモンは物憂げに息をついた。 その長い睫毛を伏せながら、紅を引いたなまめかしい唇から紡ぎだされた言葉。 それはさほど大きな声でないにも関わらず、シンジをはじめとしたここにいる人間たちの心臓に突き刺さるように刻まれた。 「――死にたくなければ殺しなさい。あなた達にはそれしかないの」 ドクン。 空気が止まったかのような静寂。 レモンの視線が部屋にいる全ての人間にゆっくりと、順番に注がれた。 そしてシンジの番。 それは冷たく、重く、そしてどこか悲しげだった……気がした。 「私達の目的はこの殺し合いを最後まで完遂することよ。つまりあなた達を最後の一人まであなた達の手で殺させること。 生き残った者には多額の報酬、絶大な力、死者の蘇生……大抵の願いを叶えてあげることができるわ。 私達にはそれだけの力があるのだから。質問の答えは以上でよろしいかしら?」 「なぜ……そんなことをさせる必要が?」 「そこまで答える義務はないわね。さてと、そろそろ話を勧めないとアクセル達にお説教されちゃうわ」 そういいながらレモンはクスリと笑い、こちらに背を向けて数歩ほどシンジ達から距離を取る。 そしてクルリと振り向いて高らかに宣告するように言った。 「あなた達の役割はジョーカー、つまり他とは違う鬼札。強力な機体を支給される代わりにある役割を担ってもらうわ。 放送二回、つまり16時間で二人ほど殺してもらいます。できなければ自分の命で償ってもらう。この意味が解るかしら?」 「爆破するということ……!」 「そのとおりよヴィレッタ・バディム。皆、ああいったところで状況を素直に飲み込んではくれないでしょうしね。 まず、あなた達が手本を見せて欲しいのよ。スムーズにこのゲームを進行させるために、あなた達の手で誰かを殺すことでね……」 そうすることで皆がこのバトルロワイアルの本質を理解してくれることでしょう、とレモンはこともなげに言い放った。 この手で誰かを殺す……? 何言ってるんだ……ありえない……そんなバカな……。 そんなことが出来る……わけが……。 だが混乱の渦中に陥っていくシンジの思考にはお構いなしで説明は続いていく。 「無事にノルマを果たして生き残ることができたら、その後は自由に行動してくれて構わないわ。 これからあなた達に支給する強力な機体はこの場において大きなアドバンテージとなりうるから、生き残る確率、すなわち優勝の確率も大きくなる。 そちらにとっても悪い話じゃあないでしょう?」 誰も何も答えない。 重い沈黙が人工的な光に包まれた空間を支配している。 理解、状況把握、打算、混乱が全員の心の中で渦巻いて、結果として誰もが迂闊な言葉を発することができないでいた。 「ああ、肝心なことを忘れていたわ。ノルマにはあなた方は含まれない。ターゲットはその他のプレイヤーよ。 つまりこの場にいるメンツで同士討ちしても意味はないから注意してね」 レモンはそれからここに居る全員の名前を読み上げていく。 碇シンジ、そしてヴィレッタと呼ばれた女性や、五飛という少年も。 さらにイスペイル、春日井甲洋、テッカマンランス、アギーハ、レイ・ザ・バレル……。 この場の一人ひとりに対して確認するように、そしてお互いを確認させるように、レモンは名前を呼ぶたびにその人間に視線を向けていく。 イスペイルはおよそ人間とは思えない、ロボットのような風貌だった。 春日井甲洋はクセッ毛の、シンジより少し年上らしき少年。無表情。いや、無反応と言った方が正確か。 テッカマンランス。引き締まった体つきで西洋系の男だ。軍人か警察のような職業がいかにも似合う。 アギーハ。いかにも気の強そうな女性で、何も言わずとも不服そうな怒りが顔に出ている。 レイ・ザ・バレル。金髪で、男から見ても整っている顔立ち。表情に僅かながら不快感を表すものの、大きな感情の揺らぎは見られない。 「理解できたかしら? あなた達に拒否権はないわ。 もっともそんなもの、ここに呼ばれた人間たちには初めから何一つとしてありはしないのだけど」 レモンの理不尽な宣告に対して誰もが怒りを覚えているのだろう。 だが、何を言ったところで無駄なことだ。少なくとも今は。 だから何も言わない。 「さてテッカマンランス。ミスターモロトフと読んだ方がいいかしらね」 レモンは懐から手のひらよりやや大きい、奇妙な形の宝石を取り出した。 それを見た途端、モロトフと呼ばれた男は身を乗り出すようにしてそれを凝視する。 今にも飛びかかって奪い取らんばかりだが、流石にここまできて実際に行動に移すようなことはしない。 その先一秒後の未来がどんなことになるのかは想像するまでもないからだ。 「それは……!」 「そう、あなたのテッククリスタル。機体の他にあなたにはこれも使わせてあげる。はい、どうぞ」 余りにも無造作にレモンは宝石を放り投げた。 慌てて両手を差し出して受け取るモロトフ。 放り投げた当人は、大の男が慌てふためくその様子に失笑を隠そうともしない。 どう足掻こうが反抗できないと考えているのだろう。 だがその宝石を拾い上げたモロトフは憎悪を込めた笑みを顔に張り付かせている。 笑みが意味する感情はシンジにも理解できた。それは……殺意だ。 「バカめ! テックセッタ――――――――――――ッ!!!!」 眩い光が生まれた。 部屋全体の色を塗り替えるほどの光量の中心はモロトフと呼ばれた男だった。 その異常現象に対して、誰もがそこから後ずさって距離を取る。 光の中心に人影があった。眩しさに眼を細めながらも観察すると、それが鎧を纏ったようなヒトの形に変化していく。 「な……!」 「フハハハハハハハ、テッカマンランス見参! 変身してしまえばチャチな爆弾などでは傷ひとつ付かぬわ!」 光が消えた。 かつてヒトが存在していた場所に立つのは、甲冑を纏った騎士に似た異形だった。 手があって、脚がある。二本の脚で立っている。 それでも、ヒトの形をしていながら、それはヒトとはかけ離れている。 アレは人間ではなく、まさに異形だ。 直感的に拒否感を抱く、人間とは違う何か。 しかしシンジは見た。 それを前にしてもレモンは全く動じていない。 「馬鹿な女よ。この私を捕らえた罪、侮った罪、辱しめた罪、貴様の断末魔で償ってもらおう!!」 ずん、ずんと怪物が近付いていく。 レモンを見下ろし、腕を伸ばせば細く白い首がその手にかかる距離。 そして躊躇うこと無く掴み、へし折ろうとする。 その時だ。 艶のある唇が小さく動いたのは。 「――――馬鹿はあなたよ」 ばぁん。 くぐもった破裂音が発生した。 音と同時に鎧の異形がぶるりと揺れる。 態勢が崩れて、そのままズタ袋が叩きつけられるように床へ倒れ伏した。 「え……!?」 驚きを示すその声はシンジが発したものだろうか。 それとも別の誰かだったろうか? 一つ言えるのは、誰もがこの異常を把握できていなかったということだけだ。 悠然と微笑む一人の女を除いては。 レモン・ブロウニングを除いては。 「確かにテッカマンの力は凄まじいわ。人間大の大きさに超音速の機動力、反応弾にすら耐える装甲、数え上げればキリがないくらいにね。 でも私達シャドウミラーはそのテッカマンを生きたまま拉致してくることができる。そういう力を持っているの。 生きたまま連れ去ってくるのは殺すことよりもずっと難しいのよ?」 つまりこの女はこう言いたいのだ。 どう足掻こうとも、歯向かうだけ無駄なのだと。 「そんなことに考えも及ばない……力に溺れるだけの男なんてどのみち途中で脱落するでしょうね。 ここで死んでも大勢に影響はないでしょう。けれど、あなた達は違うはずよ。期待しているわ」 変身が解け、異形はヒトの死体となって部屋の床に放置されている。 頭ががバックリと柘榴のように割り開かれ、血の赤と頭蓋の白がミックスされて元の形が分からない。 血の生臭さと脂のべたつきが空気に溶け込んで部屋中の全てにまとわりついてくるような感覚があった。 だがレモンはそれを無視する。 この部屋の出口を指差して、用意してある機体に乗り込むように指示した。拒否権はないと、無言のうちにそう言いながら。 やがて一人がゆっくりと一歩を踏み出した。 そのままふらふらと扉の方へと向かう。 一人、そしてまた一人と扉の向こう側へ消えていく。 その誰もが望んで従ってなどいない。 逆らえないから、少なくとも今は逆らわない。 ある者は絶望に染まった顔で、ある者はレモンを怒りに燃える目で睨み付けて。 ある者はうっすらと笑みを浮かべながら、ある者は何らかの覚悟を刻みこんだ顔で。 そうして、やがて部屋には一人の女だけが残った。 「――ブラスター化したテッカマンもいることだし、仕込みは上々……かしらね。 閉じた世界の混沌から何が生まれるのか……研究者としては興味深いのだけれども……」 ふう、と物憂げなため息を置き土産にして最後の一人が部屋を去る。 生命のあるモノはそこにはもう誰もいなくなった。 【テッカマンランス@宇宙の騎士テッカマンブレード 死亡】 ◇ ◇ ◇ 「システムLIOH……ダイレクトモーションリンク……なるほど、如何にも俺向きの機体だ」 コクピット内で少年は呟く。 パイロットはシートに座らずアームで保持され直立し、球状コクピット内の動きをセンサーによりリアルタイムでスキャンし機体動作へ反映させている。 その動きがそのまま機体の動作に反映されるがゆえに操縦には卓越した身体能力が必要となり、ダメージが痛みとなってフィードバックされるというリスクもある。 さらにパイロットの潜在能力を強制的に引き上げて操縦させるという過酷な仕様、そしてそうでなくては歩くことすらできぬピーキーな調整。 「強くなくては操る資格はないということか……気に入ったぞ、大雷凰!」 ゼロシステムに触れた経験、そして常に研鑽を心掛ける自分にとってはまさしく己を試すにふさわしい。 全ては強くあらんがため。 心も、肉体も、魂も、弱くあることなど許されない。 正義は常に強くあらねば意味を成さないからだ。 力に屈する正義は、その時点で正義などではない。 「二人……ならば殺し合いに乗る、弱き者を傷つける邪悪を俺は討つ! このふざけた戦いで悪意を振りまくのであれば、例え同じジョーカーであろうとも叩き潰すまでだ!」 張五飛は力には屈しない。 どんな強大な力が立ちはだかろうとも己は曲げない。 そうでなければガンダムのパイロットである資格などない。 「正義は……俺が決める!!」 【張五飛 搭乗機体:大雷凰(バンプレストオリジナル) パイロット状況:良好 機体状況:良好 現在位置:G-4 河口付近 第一行動方針:悪意を振りまく敵を討つ 最終行動目標:シャドウミラーの野望を砕く】 ◇ ◇ ◇ ヴィンデル・マウザーが生きており、シャドウミラーが復活していた。 それはヴィレッタ・バディムの心に衝撃を生むのに充分すぎるほどの事実であった。 アクセル・アルマーが、アインストらしき不可解な力によってアルフィミィとともに生存していたことは知っている。 だが、組織の復活に執着するような素振りは見せていなかったはずだ。 「ラミアが知ったらどう思うでしょうね……」 かの組織によって作られた美しき人造人間のことを考える。 紆余曲折を経て組織から抜け出し、今は地球の平和を守らんとする同志となった彼女はここに呼ばれていない。 生みの親であるレモン・ブロウニングや上官であるアクセルには、その関係以上の感情を抱いていたように思う。 そんな彼らが殺戮の宴を催すなどと知ったらどうなるだろう。 自分の意志で、自ら定めた己の使命のために戦えるだろうか? 答えはおそらく、イエスだ。 彼女はもはや作られた存在ではなく、自らの道を歩き始めたれっきとした人間なのだから。 そしてそれはヴィレッタ自身にも当てはまることだ。 作られた存在――だが、そこに確固たる意志があるならば人間と何が違う。 イングラム・プリスケンの遺志を継ぎ、リュウセイらSRXチームとともに闘いながら、同時に彼らを見守っていくことが己に課した使命。 未だにバルマー帝国やゲストこと監察軍の脅威は無くなったわけではない。 いつ、地球が本格的な侵略に晒されるか分からないのだ。 まだヴィレッタにはやるべきことが山ほどある。イングラム亡き今、それを果たすのは自分しかいないのだから。 「アギーハ、ウェンドロ……彼らも生きていた……? 死者の蘇生……いえ、まさか、そんな……でもウォーダン・ユミルまでいる。 ギリアムにタスク……ギリアムなら、もしかしたら……」 名簿を眺め、知った名前をチェックしながら思考をまとめていく。 無為な血を流すなどできることならばしたくはない。 ギリアムなどの味方を集め、この陰謀に楔を撃ち込むことが出来るならばそうしたいところだ。 だがヴィレッタは強力な機体を与えられ生存確率が上がったのと引換に、制限時間内に誰かを殺さなくてはならない立場にある。 本意ではない。だがそれもやむなしとあらば汚れ仕事は昔からお手の物だ。覚悟はすでにできている。 だが今は性急に事を進める時ではないだろう。 いきなり拉致されて状況を把握出来ていない者も多くいると思われる。 友好的に接触して情報を引き出すか、仮初めの味方として引き入れるという手段も考慮すべきだ。 この場でおそらく最もシャドウミラーに詳しいと思われ、しかも信用に足る人物であるギリアムを捜索するにしても有用な駒となりうる。 「それにしても……これってデザインどうにかならなかったのかしら」 ヴィレッタに支給された機体は強力だが制御が難しい代物だった。 エネルギーの出力調整に精微を極めたコントロールを必要とするそれは、パイロットの皮膚感覚を利用し、微妙な感覚を頼りに出力を制御する。 そのためには皮膚に直接機器を触れさせる必要があり、なおかつ受信状態を少しでも良くするためにそれを露出させておくのが望ましい。 結果としてパイロットの皮膚に貼り付けた機器を露出、すなわちパイロットは機器となるコスチュームだけを身につけた極めて裸に近い状態で操縦することになる。 DFCスーツと名付けられた、水着とボンデージ衣装を足して二で割ったような制御機器を装着した姿があった。 スレンダーですらりと伸びた四肢。 女性らしい胸や腰の膨らみのラインが余す所無くさらけ出され、肢体を締め付けるスーツの黒が純白の肌を際立たせていた。 【ヴィレッタ・バディム 搭乗機体:ガルムレイド・ブレイズ(バンプレストオリジナル) パイロット状況:DFCスーツ着用、ちょっと恥ずかしい 機体状況:良好 現在位置:D-1 海岸 第一行動方針:ギリアムを探し、シャドウミラーについての情報を得る。 第二行動方針:出来る限り戦闘は避け、情報を集める。戦いが不可避であれば容赦はしない。 第一行動方針:ノルマのために誰かを殺害することも考えておく。 最終行動目標:生き残って元の世界へ帰還する】 ※参戦時期はOG外伝終了後。 ◇ ◇ ◇ 「ええい、どうなっておるのだ! 開発者を呼べ!」 人間離れした、まるで髑髏を模した仮面をつけたような容貌がこの男の素顔だ。 とりあえず男とは呼んだが、彼には性別など関係がない。 巨大すぎるほど巨大な、大いなる意識の集合体から生まれたその欠片がイスペイルと呼ばれる彼の正体なのだから。 ここに呼ばれた生命体は大半が地球人か、それに似た系列の人類だと考えられる。 そいつらを殺す事には別段抵抗はない。 シャドウミラーと名乗る人間たちは、勝ち残れば莫大な報酬を与えると言ったが、彼らの使う未知の技術を己の力にできるならそれも悪くないと考えていた。 イスペイルの意識の本質は研究者だ。 長年、クリスタルハートの解析に努めてきたのは伊達ではない。 では早速、与えられた強力な機体とやらの性能を把握しようとマニュアルを熟読する。 まず接近戦用の実体剣ディバインアーム。 振り回すには手ごろな上に切れ味も悪くはなさそうだ。 次に長距離狙撃用のビーム兵器であるクロスマッシャー。 射程距離はかなりのものだ。充分な威力も併せ持っており、主力兵装として活躍してくれるだろう。 遠近両距離に対応できる武装はもちろん、人工筋肉による柔軟な動作は接近戦において大きなアドバンテージとなる。 機動性も悪くはない。 なるほど、強力な機体というのは嘘ではないようだ。 だが、ひとつ。 ひとつだけこのマシンには欠点がある。 ここまで完成度の高いものに仕上げておきながら、なぜ最後でこのようにするのか。 研究者肌のイスペイルは、まるで丁寧に組み上げたパズルの最後の1ピースを台無しにされたように苛立ってしまっていた。 「装甲が薄すぎる! 接近戦におけるモーションを邪魔しない程度でももっと厚く出来るだろう! いや、いっそがっちりと防御を固めてその分火力を充実させればいいものを! 何故だ! この機体を作った技術者は何故――――」 技術者、もしくは研究者というものは多かれ少なかれ己の拘りを捨てられぬ人種である。 誰もが生きていく為にやりすごす些細な疑問も突き詰め、研鑚し、真実の一端へと昇華させる。 ゆえに一旦疑問というものが芽生えてしまうと、それを捨て置く事が難しい。 むしろ捨て置くようでは研究者にはなれないのだ。 「――こんな、人間の女のような体つきのロボットを作ったのだ!?」 まさか娘の我が侭だったなどという答えには辿り着けるはずもない。 イスペイルに支給された機体の名は、ヴァルシオーネRといった。 【イスペイル 搭乗機体:ヴァルシオーネR(バンプレストオリジナル) パイロット状況:イライラ 機体状況:良好 現在位置:D-7 第一行動方針:まずは生存する為にノルマを果たす 第二行動方針:出来れば乗り換える機体が欲しい 最終行動目標:自身の生還】 ◇ ◇ ◇ 「俺が……守るんだ」 春日井甲洋。 本来は心穏やかで優しい少年だった。 助けを求める声があればそれに応えようと手をさしのべる。 誰もがそんな彼を慕った。 けれど。 何よりも大事だった、恋心を抱いた少女を守ることができなかった。 「翔子……」 羽佐間翔子。 病弱で、いつも何に対しても申し訳なさそうにしていた。 好きだったけれど、その子が本当は誰に恋していたかわかっていた。 だから彼女が喜べるように、笑っていられるように、身を引いた。 なのに――、 「一騎……総士……」 あいつらは守れなかった。 それどころかその死に様を否定した。 翔子が、どんな気持ちで島を守ろうとしたのか理解しようともしなかった。 誰も守ろうとしないなら自分でやるしかない。 「俺が……守るんだ……」 黄金の瞳。 表情のない貌。 フェストゥムに取り込まれた証。 できなかったことをやろうとした。 そうすることで、できなくて失ったことを償えると信じた。 その結果。 自我をなくして完全に取り込まれる直前に、春日井甲洋は召喚された。 「誰を……守るんだっけ……?」 とても悲しいことがあった。 なぜ悲しかったのか。 思い出せない。 誰を思って泣いたのか。 何を思って償おうとしたのか。 何も感じない。 戦うことだけを命じられ、疑うことすらできないこの有様で。 ――春日井甲洋は悲しみの乙女を駆り、定かならぬ何かを求めて戦場をさ迷う。 【春日井甲洋 搭乗機体:バルゴラ・グローリー(バンプレストオリジナル) パイロット状況:同化により記憶及び思考能力低下(敵を見つけ次第攻撃に入ります) 機体状況:良好 現在位置:a-1 コロニー周辺 第一行動方針:見敵必殺 最終行動目標:守るんだ……】 ※フェストゥムに同化された直後から参戦です。 ◇ ◇ ◇ 無限に広がる大宇宙。 数多の星々の輝きを切り裂くようにして、一迅の矢となった白い機体が虚空を駆け抜ける。 自由の名を冠する鋼鉄の流星、ストライクフリーダム。 操るは銀河を股にかける秩序の担い手。ゾヴォークの女将軍アギーハだ。 「ウチのダーリンはいないかぁ。まあむしろよかったけど。 でもよりによって唯一の知り合いがあのいけすかないウェンドロ坊やとか勘弁して欲しいねえ」 実の兄であるメキボスへの対応を見ても分かるとおり、上司とはいえあの男に温情など期待できない。 隙を見せれば後ろから撃たれる。いや、はじめから自分以外の全てを駒としてしか見ないだろう。 そんな人間にわざわざ付き従う義理はどこにもない。 もとより部下としての義理はお釣りが来るほどに果たした。 この命すら捨てて、だ。 ゾヴォークのアギーハはあの戦いで地球人に敗れ、討ち死にした。 「……でもあたしはこの通り生きている」 死者蘇生。 そういえばあのレモンという女がそんなことを言っていたような気がする。 そんな馬鹿なことを……と普段の彼女なら一笑に付すところだ。 だが今はそうやって否定する材料が見当たらない。この自分自身の存在が何よりの肯定材料なのだ。 「さぁて、どうしたもんか」 16時間で二人殺す。それ自体に抵抗はない。 だがヴィンデルたちの言いなりになるのも面白くない。 仮にも監察軍の将校たる自分が地球人ごときに――という思いもある。 奴等が蘇生技術を持っている事についても現段階では半信半疑だ。 「でもまあ死んだらダーリンにまた会える可能性がゼロになっちゃうしねえ……」 あの戦いで恋人のシカログがどうなったのかは覚えていない。 苛烈な激戦のさなかで確かめる術などありはしなかった。 だが、まだ生きていてくれたなら。死んだとしても自分のように生き返ることが可能なら。 「まずは1つずつかたずけるとするかねえ……」 目の前のノルマが現在の最優先事項だ。 できなければ確実な死。 蘇生云々に関係なく、まずこの問題をどうにかしないことには始まらない。 考えることはそれが終わってからでもできる。だから考えない。 代わりにまずはこの機体に慣れてから、誰かを二人殺すための戦略を考えるのだ。 【アギーハ 搭乗機体:ストライクフリーダムミーティア(機動戦士ガンダムSEED DESTINY) パイロット状況:良好 機体状況:良好 現在位置:c-1 宇宙空間 第一行動方針:敵を捜して、発見次第撃破。ノルマをこなす。 第二行動方針:ノルマをクリアしたら今後の戦略を練る。 最終行動目標:生き残り、シカログと再会する】 ※OGs死亡直後からの参戦です。 ◇ ◇ ◇ レイ・ザ・バレルはクローン人間である。 その大本は同じくクローンであるラウ・ル・クルーゼだ。 クローンのクローンを創る実験。それは何のために? 理由などない。ただ、出来るかどうか試された。 たったそれだけの理由でレイという男はこの世に誕生させられた。 生まれてしまったからには生きなければならない。 そして本能だけで生きる動物ではない人間であるからには、例えクローンであろうとも生きる理由というものが必要なのだ。 戯れ同然に産み落とされたという現実は常にこの男を苦しめ続けてきた。 ならばせめてこんな悲しみを作り出す世界を変えるためにこの生命を使おうとして、その妨げになるものは切り捨ててきた。 それらを切り捨てることは、結局は己の抱く悲しみを他の誰かに同じ分だけ増やすことだと最後の最後まで気付かずに。 「人は自分の意志で変わることも生き抜くこともできる……か」 崩れゆく要塞メサイアの内部で聞いた、キラ・ヤマトの言葉だ。 母と呼んだタリアに抱きしめられ、レイ・ザ・バレルの短い生涯はそこで終わりを告げるはずだった。 自分は変わるにも生き抜くにも全てが遅すぎたと諦めながら、爆炎の中に消えて行くはずだった。 「ならば今ここで、まだ俺が生きているのは、俺に変われということなのか? キラ・ヤマト……」 キラ・ヤマトはこうも言った。 レイ・ザ・バレルの生命はレイ自身のものであると。 ラウ・ル・クルーゼなどではない。ギルバート・デュランダルでもない。 他でもない自分自身のものであると。 「いいだろう……変わってやるさ」 あの炎の中で、レイを縛る全てのしがらみは焼き尽くされた。 自身の夢と明日を託したデュランダルを他の誰でもない自分のこの手で撃った。 かつて己の全てを捧げた、新しい世界を創り上げるという夢そのものでもあったギルバート・デュランダルを否定したのだ。 全てを賭けた夢を自身で否定したというのならば、今ここで生き延びた自分は抜け殻でしかないのか。 違う。 引換にして得たものがあった。 レイはそれを決して忘れない。 今まで決して呼ばなかった、呼べなかった母という存在。 そう呼んだレイをタリアは抱きしめてくれた。 戯れに生み出されたと思っていた自分自身の生命の意味。 誰からも望まれなかったのではない。 己を望み、愛してくれた人間がいた。 うわべだけの言葉ではない温もりが、レイの最も奥深くにある最も脆い部分を撃ちぬいた。 「俺は……俺のために生きる」 誰かに夢を託すとか、明日を託すとか、そんなものはもう要らない。 寿命が短いことも何もかも、結局は己自身の生命の意味を自分で決めることすらできない弱さへの言い訳にすぎなかった。 そんなものを全て取り払ったときに残ったもの。 それはとても単純なこと。 「生きていたいんだ……死にたくないんだ……! だから……戦うんだっ……!!」 己に言い聞かせるように唱える。 歯を食いしばって、前を見据えて。 あのぬくもりが幻想だと、思い込みだと笑うのならば笑わせておけばいい。 己にとっての真実こそが己にとっての絶対だ。 この単純な生への渇望を否定できるものならしてみるがいい。 レイ・ザ・バレルはただ叫び、戦うだけだ。 ――生きていたいと、叫び続けるだけだ。 【レイ・ザ・バレル 搭乗機体:R-GUNリヴァーレ(バンプレストオリジナル) パイロット状況:良好 機体状況:良好 現在位置:A-4 草原 第一行動方針:生き残るために戦う 最終行動目標:優勝狙い】 ※メサイア爆発直後から参戦です。 ◇ ◇ ◇ 夢を見ていた。 とても、とても辛いことがあったことは覚えている。 生きていても辛いことばっかりだ。 どこへ逃げてもそうだったし、立ち向かってみてもさらに辛いことにぶつかるだけだった。 今もそうだ。 殺すなんてごめんだ。 殺されるのはいやだけど、自分がそうするくらいなら死んだ方がいい。 僕は生きていないほうがいいんだ。 だって、友達を殺したから。 トウジを傷つけてしまった。 とりかえしのつかないこと。 一度は全部投げ出してしまおうかとも思った。 悩んで、そしてけじめだけはつけるつもりでもう一度戻った。 そしてさらに取り返しのつかない罪を犯した。 「なのに……」 コックピットはエントリープラグに瓜二つだった。 エヴァと同じようにコントロールできる。 LCLは注入されていない。それがなくても動くように設計されているようだった。 「なんで……?」 シンジの瞳は驚愕の感情によって見開かれていた。 七十人の名前が記された名簿は、強く握り締められ皺がよっている。 自分の名前があった。 その他はシンジと同じくここに連れ去られた者たちの名前だろう。 テッカマンランスや五飛なども見つけたが、その驚きはそれらのどれによるものでもない。 その名前からシンジは目を逸らすことができないでいた。 しばらくして、ようやく肺から全ての空気を搾り出すように声を吐く。 「カヲル君…………!!」 この手で殺した『トモダチ』。 【碇シンジ 搭乗機体:第14使徒ゼルエル(新世紀エヴァンゲリオン) パイロット状況:混乱 機体状況:良好 現在位置:D-4 海底 第一行動方針:カヲル君……!? 最終行動目標:???】 ※カヲル殺害後から参戦です。 【ジョーカーのルール】 ※第二放送が行われる16時間後までに二人の参加者を殺さなければ自身の首輪が爆発する。 ※時間内に殺害できればその後の行動は自由。 ※ジョーカーである七人の誰かを同じジョーカーが殺害しても、ノルマの数にはカウントされない。 【一日目 7 00】 BACK NEXT 030 未来の灯は消さない 投下順 032 意志 024 歪む運命 時系列順 032 意志 登場キャラ NEXT テッカマンランス 張五飛 053 GUN×KICK ヴィレッタ・バディム 043 貧乏クジの行方 イスペイル 041 サバイブ 春日井甲洋 042 破滅を望む者、破滅を呼ぶ物 アギーハ 045 運命の戦士 レイ・ザ・バレル 053 GUN×KICK 碇シンジ 044 3+14=??
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01→ ※ ライゼルに纏わる伝説。 僅か2年でそれまで数十年に及ぶ蛮族との戦いに勝利し北の地に追いやったライゼルは、次に当時のブリタニアと対立関係にあった周辺諸国へと進軍を開始した。 何故そんな国々があったかと言うと、時のローマ皇帝アウグストゥスが後にブリタニアの始祖となるアルウィンⅠ世に領土として認めたその島は、当初、様々な民族が住まう島であり、領地と言うよりは やっかみ払いの為に与えた封土のような位置付けだった。 そして、ライゼルが即位した当時ローマは既に力無く、島は多様な民族が各々建国し覇を競い合う時代だった。 当初、何年も掛かると思われた進軍であったが、驚くべき事にライゼルは半年もしないうちに島の大部分を平定し時の皇帝に領地として献上したという。 当時としてもそれは異常な速度だったとある。どのような策を駆使したのか。年代記の中にはこう示されていた。 ライゼルは先の蛮族との戦勝祝いにおいて、当時対立関係にあった諸国の王達を招いた。 その席でライゼルの高説に心打たれた諸国の王達は、次々と頭を垂れると忠誠を誓った、と。 何カ国かは出席を拒んだが、彼等が宴での出来事を知った時には既に島のパワーバランスは崩壊していた。 圧倒的な軍事力を支配下に置いたライゼルは、時の皇帝に対して島の平定に乗り出すべきと上奏したという。 やがて、あらかた島を平定し終えたライゼルは、次にその牙を大陸に向けた。 これについては、何故かと言う事までは伝わってはいない。 ある歴史学者が言うには、本国への更なる忠誠の証だったとか、当時の皇帝が味を占めて大陸を強く望んだからだとか憶測は様々だった。 一方で、ある軍事評論家はこう語る。 当時のブリタニアは島国であったとは言え、大陸との間にあるのは海と呼ぶには余りに狭い海峡であり、当時の帆船技術を用いても攻め入る事は十分に出来た。 引くも攻めるも容易であった事から、防衛面では島国特有のアドバンテージは無いに等しい。 更には、僅か半年足らずで島の大部分を手中に収めた当時のブリタニアの姿は、大陸の者達には異常な存在に映った事だろう。 当時、大陸側でも同じように国家が乱立し小競り合いをしていたが、そんな最中に海峡を挟んで直ぐの位置に突如として強大な軍事力を誇る国が現れたとしたらどうだろうか? 畏怖の念を抱くには十分。何よりも、恐怖とは伝染するものだ。 恐れを懐いた国々が対抗する為に仮に共同戦線を張った場合、先手必勝とばかりに攻め入って来る事は十分想像出来る。いや、指導者であれば想定しておかなければならない。 当然、この王がその可能性を考えていなかったとは思えない。 だからこそ、そう簡単に攻め入られないよう大陸沿岸を支配下に置く為に先手を打とうとしたのでは無いか、と。 ――その評論家の仮定は限りなく事実に近かった。当時のライは、既に自身の領土内で不穏な動きをする者は粛清し終わっていたが、それでも母親と妹を護るという強い決意を背負った彼の不安は消えなかったのだ―― 結果、時の皇帝に文を送りながら水面下で沿岸部を統治していた貴族。 彼等を表向きは貿易と称して幾度か自領に招いていたライゼルは、皇帝の許可を得ると直ぐさま海峡を越えた。 その侵攻の矢面に立ったのが、当時、海峡を挟んで島の南側に位置していた国、後のフランスだった。 当初、ライゼルと共に海峡を渡った兵士達や本国で知らせを待つ皇帝でさえも、それなりの抵抗を受けるだろうと予想していた。 が、実際は何の抵抗も起きなかった事に驚いたばかりか、その場に居合わせた兵士達は目に映る光景に唖然とした。 沿岸を警備する敵国の貴族は、予め話が付いていたかの如く一切の抵抗を見せなかったからだ。 こうして、苦せずして大陸沿岸部を支配下に置いたライゼルは、次に内地への進軍を決めた。 最も、そこからは流石に相手も抵抗したが長くは続かなかった。何故か? 進軍を進めるライゼルに対して幾度と無く戦端を開いた貴族連合。 が、戦場でライゼルの声を聞いた兵士達は皆が皆、掌を返したかのように忠誠を誓ったのだ。 軍を送ればすべからく相手の力となり自らに跳ね返って来るのだ。 得体の知れない異様な力、悪魔が乗り移ったかのような力を見せつけたライゼルに、貴族達が恐怖した事も一因だった。結果、指揮系統は乱れに乱れた。 そうなってしまえば最早勝敗は決したも同然。 ライゼルに蹂躙され尽くした敵国は縋る思いで近隣諸国に援軍を求めたが、それも大した成果を上げられる事無く僅か二ヶ月足らずで陥落した。 その後は凄惨の一言に尽きる。 ライゼルは敵国に与したという理由で、近隣諸国にまで戦火を拡大した。 が、それは長くは続かなかった。 ある時、ライゼルの余りの苛烈さを咎めるべく時の皇帝が彼を呼び戻した。 呼び戻されたライゼルは本国に向かう前に一時自分の領地に帰還したのだが、その時、突然蛮族の再侵攻が始まったのだ。 これ程までに軍略に長けた王が何故蛮族を討ち滅ぼさなかったのか。これは歴史家達の間でも度々議論になっている事だった。 情けを掛けたと言う者もいれば、当時の皇帝に窘められたのだと言う者も居る。が、明確な答えは年代記の何処にも記述は無い。 だが、その後は明確に記されていた。 攻め入って来た蛮族に対して、兵士のみならず領民までも戦いに駆り出して迎え撃ったライゼルは、全てを焼き尽くすと自らも炎の中に消えた、と……。 その後、ライゼルという絶対の剣を失ったブリタニアの国力は次第に衰えていったともある。 また、それに比例するかのように大陸の植民地も息を吹き返し、遂にブリタニアは大陸からの撤退を余儀なくされた。 だが、それだけでは済まなかった。 当時から続く本国での皇位継承争いに乗じて各地で再び民族が蜂起した結果、島は再び数多の国々が覇を競い合う時代に逆戻りしてしまった。 この後、その戦いにも敗れ、ブリタニアという国は一度歴史から消える事になるのだが、年代記は語る。 ライゼルの残した爪痕は深かった、と。 後にブリタニアに代わって島を平定した国が国号をイングランドと変えた後でも、ライゼルの行った行為は後に大陸との間に100年戦争や薔薇戦争といった戦火をまみえる火種として燻り続ける事になるのだから。 しかし、それはまた別の話。 年代記は更に語る。 唯一残った嘗ての国の名を冠した小さな領地を護り続けた先祖達は、皇歴1807年。 エディンバラにおいて当時のブリタニア領主、リカルドがエリザベスⅢ世の窮地を救う事で再び歴史の表舞台に舞い戻った、と。 ※ ノネットはそこまで一気に語ると少々疲れたのか一呼吸置いた後、言った。 「当時の…侵略された側にとっては忌むべき名だ。行ってみて思ったが、EUでは未だにそれが根強い。フランス辺りじゃ、北の海から来た悪魔とまで言うそうだぞ?」 長々としたノネットの語りを無言で聞いていたドロテアは、ようやっと何かを思い出したのか納得した様子で言う。 「確かにエリア1では面だっては無かったが、裏では賛否両論といった所だったな」 エリア1。旧国名をイギリスと言う。 嘗てEUの盟主を自負していたその国も世界進出の際には意の一番に攻め落とされ、今ではブリタニアの植民エリアとなっていた。 「あそこには元々あの王が統治した領地があったんだ。それと、当時真っ先に侵略された国もな。そうなるだろうさ」 ノネットが即答してみせると、ドロテアは顎に手を当ててポツリと呟いた。 「英雄にして狂気の王、か……」 「明けの明星にして狂える暴狂星とも言うな。だが、さっき言った話はお伽噺みたいなもんだ。年代記自体には他にも色々と齟齬する箇所があるからな。何よりも、声だけで他人を従わせられる力なんて有る訳ない。まぁ、王が実在したって事だけは事実みたいだが……」 「王の力については同意するが、それは皇族の神秘性を表したかったのかもしれないだろう?」 「それにしては、歴代の皇帝に関してそういった記述が一切無いのは何故だ?まるで、かの王だけが別格のような扱いだ」 これにはドロテアも反論出来なかった。 その言葉を最後に、二人が互いに思慮するかのような表情を浮かべていると、不意にモニカがこれ以上聞いていられないといった様子で口を開いた。 「ねぇ二人とも……さっきから不敬とも取れる発言を連発してるって分かってるの?同じラウンズとしても見過ごせないんだけど?」 「冗談に決まってるじゃないか。なぁ?ドロテア?」 「えぇっ!?冗談だったのか!?」 ジト目で追求するモニカに対して、ノネットはしれっと言い放つ。だが、ドロテアが彼女のような態度を取れる筈もない。 相変わらずの反応に苦笑するノネットに対して、ドロテアが額に汗を浮かべていると……。 「残念ね、報告する事が増えちゃったわ。あぁ、可哀想なドロテア。でも、私は帝国の為にも敢えて心を鬼にするわ」 モニカは天を仰ぐと仰々しいまで台詞を浴びせたが、その口元には微笑が浮かんでいた。 ノネットは直ぐに悪ノリしていると気付いたのだが、真に受けてしまったドロテアは真っ青な表情を浮かべていた。 すると、これ以上は流石に可哀想だと思ったのかノネットが割って入った。 「まぁ、待て待て。なぁ、モニカ。最近帝都に出来た人気の店。知ってるか?」 「……奢りかしら?」 その会話を聞いたドロテアは買収する気か?とも思ったが、ノネットが救いの手を差し伸べてくれた事に内心で感謝した。 が、残念ながらノネットにその気は更々無かった。 「勿論!ドロテアの奢りで」 「んなっ!?ま、待て、ノネット!私だけ――」 「無理ならモニカはお前を告発するぞ?」 そう言ってノネットが再びモニカに視線を移すと、モニカもモニカで再び天を仰ぐ仕草を見せる。 すると、ドロテアは半泣きに近い表情で縋るかのように指摘した。 「うっ!……モニカ!大体お前も名家の出じゃないか!奢って貰う必要なんて無いだろう?」 「あら、知らないの?経験上、人に奢ってもらうのって美味しさ3割増しなのよねぇ」 開いた口が塞がらないとは正にこの事なのだろう。 モニカの経験談を聞いたドロテアが呆然としていると、ノネットが更に詰め寄った。 「で、どうするのかな?ド・ロ・テ・ア?」 ハッと我に返ったドロテアは困ったような、それでいて何処か気恥ずかしそうに顔を赤らめた。 「いや……今月はちょっと色々と出費が嵩んで……厳しいというか何と言うか……」 「だから?」 「割り勘に……して……」 諸手を挙げて降伏したドロテア。すると、そんな彼女背中を楽しそうに叩きながらノネットは告げた。 「まぁまぁ。安心しろ。元からお前一人に奢らす気は無いさ。アーニャなら甘やかすのは駄目とでも言うだろうがな」 すると、ドロテアは若干咳き込んだ後、今この場には居ない同僚に思いを馳せる。 「あいつは、こういう事には容赦無いからな……そういえば、今はエリア11か」 「今一番厄介なエリアだな」 そう言ってノネットは急に真顔になると、モニカも後に続いた。 「そうね、もしエリア11が墜ちるような事にでもなれば今後の展開如何では――」 「全エリアで蜂起が起きる可能性も有る、か……」 再び呟くノネット。すると、彼女の憂いを帯びた瞳が気になったドロテアが問う。 「その為に陛下もラウンズを三人も遣わしたのだろう?」 「それは分かるんだけどなぁ……あの3人だぞ?」 「ノネットが行くよりは遙かに真っ当な人選だ」 思わぬドロテアの反撃に、一転して瞳を丸くしたノネットがモニカを見やると――。 「異議無し」 「ハハハッ!酷い言われようだ」 モニカにあっさりと肯定されたノネットだったが、彼女は実に楽しそうに笑った。 その後、彼女達は雑談をしながら廊下の奥に消えていった。 ―――――――――――――――――――――― 皇宮の外に待たせてあった車に乗り込んだライは、カリグラと共に一路離宮を目指していた。 ライは窓の外で煌びやかに光る帝都の町並みを全くの無感動といった表情で眺めていた。 彼等の後を一定の距離を空けて一台の車が追う。 すると、直ぐさま尾行されている事に気付いたライだったが珍しく何もしなかった。 「シュナイゼルも余程人員不足と見える。優秀であれば貰ってやってもいいが……不要だな」 追跡者の力量を推し計ったライは冷笑を浮かべた。 一方、期せずして難を逃れた追跡者達。その車内では助手席に座っていた男が指揮所と連絡を取っていた。 「対象は想定ルートを通って北上中。目的地はやはり離宮かと」 『例の皇子も一緒か?』 「はい」 『分かった。尾行を継続せよ』 「Yes, My Lord」 追跡者達は気取られている事も知らずに、一定の距離を取りながら追跡し続けた。 やがて、ライとカリグラ。二人を乗せた車がある通りに差し掛かると彼等は追跡を止めた。 『対象はセントダーウィン通りに入りました。これ以上の追跡は不可能』 セントダーウィン通り。そこはつい100年程前までは皇族専用の私道だった。今でも許可を得た車両しか走る事は許されていない。 知らせを聞いた揮官は苛立ちを隠す事無く告げた。 「これまでと全く同じか……分かった。お前達はその場で待機しろ」 『Yes, My Lord』 肯定の言葉を聞いた指揮官は、背もたれに身を委ねると腕を組み瞳を閉じて報告を待った。 一方、離宮に到着したライはカリグラを従えたまま脇目も振らずに自室に向かった。 途中、宮仕えしている従者達とすれ違ったが、彼等はライ達の姿を見ても無言で道を譲ると恭しく頭を垂れるのみ。 やがて、自室に辿り着いたライは扉を開けると部屋の中へ歩みを進めた。 部屋は皇族が住まう離宮にしては少々殺風景と言えた。入って右手には巨大な黒塗りの机と座り心地の良さそうな黒皮の椅子。 その正面の壁には巨大なモニターが埋め込まれていた。 ライは扉をロックすると、ここまで全くの無言で付き従っていたカリグラに向き直る。 「お前は着替えて本来の仕事に戻れ」 「Yes, Your Highness」 ライの命に短く答えると仮面を外すカリグラ。その下から現れたのはライに近い歳をして背格好も同じ程の青年。 この離宮に従者見習いとして使えていた彼は、人形のような表情そのままに着替え始める。 やがて、普段の服装に戻った青年はライに一礼した後、部屋を後にした。 「全く、面倒な事だな」 青年が去った後、ライは溜息を一つ吐くと同じように着替え始めた。 最後に仮面を被り終えると、机に埋め込んであるコンソールパネルに視線を落とす。 そこでは、紅く光るボタンが規則的なリズムを刻んでいた。 気付いたライは、椅子に腰掛けると頬杖をつく。 続いて、もう片方の手でパネルを操作するとモニターは低い起動音を室内に響かせるながら光を宿らせる。 対照的に、部屋の照明はその光度をゆっくりと落としていった。 ―――――――――――――――――――――― 時は少しだけ前に戻る。 ライが離宮の門を潜った丁度その頃。 「ナイトオブスリーも無茶をなさる……」 学園内の機情の地下施設では一人ボヤきながら、コンソールパネルを操作するヴィレッタの姿があった。 彼女は、学園で何かあった場合は直ぐに一報を入れるようにとの上司の命令通りに行動していた。 今、彼女が報告している事項は、先程の消火装置の誤作動の件だった。 ボヤくぐらいならば他の者に任せれば良いのだろうが、これは彼女のみに許された…もとい、彼女に課せられた義務のようなもの。 やがて、入力し終わったヴィレッタは椅子に座り上司からのコールを待っていると、突然横に人の気配を感じた。 驚いて立ち上がったヴィレッタが視線を向けると、そこには一人の少年、ロロの姿があった。 扉を開いた音も聞こえなかった事から、彼女は咄嗟にロロはギアスを使ったのだろうと理解したが、何故使う必要があったのかまでは理解出来なかった。 「ど、どうした?」 不思議に思ったヴィレッタが問うが、ロロは何も答えない。 代わりに、彼の手に持った銃が全てを告げていた。 自身に照準を合わせているその銃口を見た時、ヴィレッタは全てを理解した。 「まさか……お前……」 だが、ロロは相変わらず何も答えない。薄暗い光を秘めた瞳で見つめるのみ。 「ロロが……裏切った……」 信じられないといった様子で呟くヴィレッタに対して、ロロが冷え切った表情を崩す事は無かった。 だが、続け様に呟いたヴィレッタの言葉には少々眉を曇らせる。 「予測が現実になるとは……」 「何ですって?」 ロロの口から疑問が零れた時、不意に扉が開き片手に手提げ袋を持ったルルーシュが入って来た。 入って来るや否や、ルルーシュは雄弁に語る。 「ヴィレッタ・ヌウ。ゼロの正体を突き止めた功績を認められ、男爵位を得た女。だが、裏では黒の騎士団と通じていた」 「そのような背信を――」 「扇要」 咄嗟に否定しようと口を開くが、ルルーシュが告げたその名前にヴィレッタの表情が強ばる。 「彼との関係を知られれば、折角得た爵位を失う事になる。新しいあなたに生まれ変わりませんか?これシャーリーから預かってたんですが丁度良かった」 そう言うとルルーシュは手提げ袋を机の上に置いた。 が、ヴィレッタは尚も抵抗して見せる。 「私はあんな男の事など知らんっ!!」 「あんな男?」 白々しい様子でルルーシュが反芻する。その時になってヴィレッタは「しまった」といった表情を浮かべるが、もう後の祭り。口元に三日月を浮かべたルルーシュが問う。 「どうやら詳しくご存知のようですね。どんな男なのか教えて貰えますか?」 ヴィレッタは苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべると、最後の抵抗か。黙りを決め込んだ。 だが、彼女が陥落寸前である事は目に見えていたルルーシュは、C.C.のアドバイスだという事に若干納得出来ない点はあったものの、笑みを浮かべた。 そんな時。それまで黙っていたロロが口を開く。 「ヴィレッタ。さっきの言葉はどういう意味です?」 薄々は感じ取ってはいたものの、ロロは尋ねずにはいられなかったのだ。そして、その勘は正解だった。 「あの方は、お前が裏切っている可能性も考慮しておられた」 「まさか……」 感じ取ってはいたものの、ロロの心に動揺が走る。 ロロは機情の情報は自分に名を与えてくれた王にも知らされている事は理解していた。バベルタワーの一件で、その日のうちに叱責されたのだから。 当然、今回の考えも王に伝えられている可能性は十分にある、と思った。よもや機情の長が当の本人だという事は夢にも思ってはいなかったが……。 ロロの額にうっすらと汗が滲むが、それを拭う事も忘れてただ呆然と立ち尽くすロロ。 一方で、一人置いてけぼりを食らっていたルルーシュが不愉快そうに問う。 「一体何の話だ?」 そんな彼の問い答えたのはヴィレッタだった。 「先程の学園での騒ぎは既に報告済みだ。直に連絡が――」 言うや否や、突如として部屋に短い着信音が鳴り響くと、ヴィレッタは瞳に絶望の色を浮かべながら呟いた。 「もう……終わりだよ……お前達も私も……」 ヴィレタがスイッチに手を伸ばした時、不意に銃声が響いた。 その事に、ルルーシュもヴィレッタも思わず動きを止めると音がした方向に視線を移す。 そんな二人が見たのは、銃口を天井に向けたロロの姿だった。驚いたルルーシュが問う。 「ロロッ!?お前いきなり――」 「兄さんは隠れてて!!」 「何を言って――」 「大丈夫だよ。上手くやるから!」 ルルーシュを説得するロロを尻目に、ヴィレッタは再びスイッチを押そうと手を動かすが、それを見咎めたロロは咄嗟にギアスを発動させた。 訪れる王の時間。 ロロは動きの止まったヴィレッタに歩み寄るとその背中に銃口を押し付けた。時は再び動き出す。 「ヴィレッタ……少しでも妙な真似をすれば……」 恫喝されたヴィレッタは背中に感じる冷たい感触も相まって、スイッチを押す一歩手前といった所で動きを止めた。 「騙し通せる事が…………出来ると思っているのか?」 「やらなければ、死ぬだけです。あなたは死にたいんですか?」 「………」 「助かりたかったら、僕の言う通りにシラを切るしか方法は無いんですよ」 ヴィレッタは躊躇したが依然として背中に感じる冷たい感触に押し黙らされてしまう。 対して、深く深呼吸して意を決したロロ。 彼は不承不承といった様子でいながらも、ルルーシュが願い通りにカメラの死角に身を潜めたのを確認すると……冥界へと続くスイッチを押した。 「ドウシタ?」 モニターには、スザクの時と同じように頬杖を付くと心底苛ついた様子でいる銀色の仮面が現れた。 その姿を部屋の隅より見たルルーシュは、驚愕に瞳を見開いた。 その瞳に映るのは、ゼロである時の自分に瓜二つの存在。同時に思い出す。 ――こいつかっ!! この男こそ以前ロロが言った男、カリグラ。機情のトップに君臨する男なのだという事を。 だが、不意に部屋の温度下がったような錯覚に陥ったルルーシュは僅かに身震いした。 それはヴィレッタ達も感じていた。だが、二人の場合はそれがカリグラからもたらされているものだという事を良く知っていた。 「さ、先程報告致しました通り、学園で騒ぎがありました」 「内容ハ?」 相変わらずな態度でカリグラが問う。 すると、モニターから漂って来る覇気に気圧されたヴィレッタ。その口から真実が零れ落ちそうになる。 「そ、それが……」 だが、それを察知したのか。ロロが即座に銃口を彼女の背中に強く押し当てた結果、ヴィレッタは言葉を呑み込んだ。 「っ!……消火装置の……誤作動だったようです」 「ソレニ至ッタ原因ハ?」 「目下調査中ですが、本来、枢木卿が乗る予定だったナイトメアに……ヴァインベルグ卿が乗った事も一因かと……」 ヴィレッタは、部下から知らされたばかりの報告を頭をフル回転させて繋ぎ合わせるともっともらしい言葉を紡いだ。 一見すると見事な芸当だが、彼女は元来優秀だ。 そうでなければ、一年近くカリグラに仕える事など不可能。 カリグラは使えぬ者は早々に切り捨てる。そんな性格の持ち主だったのだから。話を戻そう。 兎に角、それが甲を奏した。ヴィレッタ達の失態では無い事を知ったカリグラは、やや態度を軟化させた。 「"ヴァインベルグ"……"ナイトオブスリー"カ」 「はい」 先程までの覇気が消えた事にヴィレッタが内心胸を撫で下ろしつつ短くもハッキリとした口調で返すと、姿勢を正したカリグラは愚痴めいた言葉を発した。 「不快ナ連中ダナ。イッソ居ナイ方ガ清々スル。ソウ思ワナイカ?」 「私は、何も申し上げる事は……」 これにはヴィレッタは何と答えるべきか分からず、困惑した様子で返す事しか出来なかった。 だが、それは正解だった。カリグラは元から彼女に同意を求める為に問うたのでは無いのだから。 「下ラナイ事ヲ聞イタ。デ、"ルルーシュ"ニ変化ハアッタカ?」 「いえ」 「依然トシテ変化無シカ。……ソノ"ルルーシュ"ハ今何処ニ居ル?」 「そ、それは……」 予期していた質問とはいえ、問われた瞬間ヴィレッタは戦慄した。 この問いに困惑で返せば待っているのはカリグラからの叱責だからだ。 だが、この部屋に居るなど言える筈もなかった。 言うたが最後。暴君より報奨を賜る前に、背後に取りついた死神から死をもたらされるのだから。 この場合、ヴィレッタは先程のように何とか上手い理由を告げなければならないのだが、これについては部下からの報告も無く、ましてや暴君と死神に板挟みにされたような状況でまともな思考が出来る筈もない。 一方、死角で息を殺して事の成り行きを伺っているルルーシュも気が気では無かった。 だが、遂にヴィレッタは何も言えなくなってしまった。 その事を仮面の奥で目敏く認めたライが瞳を細めて追及するべく口を開く。 が、その前に流石に限界が来たと悟ったロロがフォローに入った。 「今は生徒会室で先程の騒動の事後処理に追われてますよ」 「……事後処理ダト?」 「ええ、消化装置の誤作動だと言ったでしょう?そこらじゅう泡だらけだったんで」 「……成ル程ナ」 出鼻を挫かれた形となり、ライとしては面白く無い。だが、淡々として一切の感情を面に出さずに告げたロロ。 普段と全く変わらないその態度は、ライのヴィレッタに対して懐いた疑念を払拭させるには十分なものであった。 一方、納得している様子でいるカリグラを見たロロはこれ幸いとばかりに問う。 「貴方は未だに疑ってるんですか?」 「藪カラ棒ニドウシタ?」 突然のロロの問いに、カリグラは少々拍子抜けしたかのように首を傾げるが、ロロは、尋ねるには今しか無いとの思いを胸に再び口を開いた。 「枢木卿も疑ってました。でも、あの人は今までの僕達の活動を知らないから――」 「知ッテイル筈ノ私ガ何故疑ウノカ。ソレヲ聞キタイトイウ事カ?」 「えぇ」 これ程までに疑うからには何かしらの理由がある筈。それが分かればルルーシュに注意するように言う事が出来る。 即ちルルーシュの役に立つ事が出来る。 少々危険な行動ではあったものの、ロロはリスクを背負わなければカリグラからは何も聞き出せないとの結論に至っていた。 一方、仮面の下で瞳を細めたライはロロの意図を探ろうとする。が、珍しく予測出来なかった。 結果、これぐらい告げても問題は無いだろうとの結論に至ったライは、要望に応える事にした。 「良イダロウ……"ヴィレッタ"」 「は、はい!」 「"ルルーシュ"ノコレマデノ"スケジュール"ハ手元ニアルカ?」 「御座いますが……」 「デハ、"ナイトオブセブン"復学ノ日付デイイ。読ミ上ゲロ」 その言葉を死角で聞いていたルルーシュは、何か気取られる態度など見せただろうか?と自身の行動を振り返るが、彼の頭脳を以てしても皆目見当がつかなかった。 同じく、カリグラの意図不明の発言にロロは眉をしかめると抗議の声を上げる。 「どういう事です?」 が、こういった場合のカリグラは鰾膠(にべ)も無い。 「黙ッテ聞クガイイ」 ロロの抗議があっさりと切り捨てられると、それを合図とするかのようにヴィレッタが読み上げ始める。 起床時間から朝食に至り、やがて学園での授業態度に差し掛かった時、カリグラは再び口を開いた。 「ソコダ」 「は?」 ヴィレッタは思わず素っ頓狂な声を上げ、ロロも首を傾げる。だが、部屋の隅ではルルーシュが一人戦慄していた。 「随分ト真面目ニ授業ニ出ルヨウニナッタナ?」 「それが何か?」 理解出来ないといった様子でヴィレッタが問うと、カリグラは静かに語り始めた。 「ソノ日ダケデハ無イガ、普段授業ヲ"サボリ"ガチダッタ"ルルーシュ"ガ急ニ真面目ニナッタ。遡ッテ行クトソレハ"バベルタワー"ノ一件以来、顕著ニナッテイル。私ハソレガ少シ引ッ掛カル」 ――こいつっ!! 想像通りの言葉にルルーシュが冷や汗をかきながら柳眉を逆立てていると、ロロが再びフォローに動く。 「それは、危険を感じたからでは?」 「何ダト?」 これには、カリグラはロロの言わんとしている事が理解出来ず疑問の声を上げた。それを受けてロロは尚も語る。 「つまり、バベルタワーでの一件はルルーシュにとって今までの生活を改めさせる、それ程の大事件だったのでは無いかという事です」 ロロの言葉を聞いた瞬間、カリグラは似たような事例を思い出した。 「死刑囚ノ心理ニ近イナ。ダガ、一理アル……」 カリグラが肯定するとロロはここぞとばかりに畳み掛ける。 「何よりも、あの日以来ルルーシュにはずっと僕が付いてます。領事館の時も一緒でした」 「オ前ハ目覚メテイナイト自信ヲ持ッテイル。ソウ言イタイノダナ?」 「何なら、命も賭けましょうか?」 冷えきった瞳で告げるロロを見て、ルルーシュに対する疑念が氷解していくのを感じたライ。しかし、彼の心中には新たな疑念が沸き始めていた。 だが、それはライにとっては有り得ない事であり、彼は心中でそれを一蹴しながらも口にした。ロロに対する皮肉を込めて。 「デハ、最後ニ一ツ」 「何ですか?」 「今日ハ随分ト饒舌ダナ、"ロロ"?」 「っ!?」 「何ガアッタ?学園祭トヤラガ余程新鮮ダッタカ?」 カリグラの問いに一瞬度肝を抜かれたロロ。 だが、続いて問われた言葉に遊ばれているのだと受け取った彼は、カリグラを睨み付けると吐き捨てるかのように言った。 「あなたには関係の無い事です」 その行為もまた、正解だった。 ――フッ。やはり思い過ごしか。 普段と何ら変わらぬロロの態度を見て、心中で結論を出したライは再び告げる。 「良イダロウ。ダガ、忘レルナ。学園ハアクマデモC.C.ヲ招ク為ノ狩場ダ」 すると、不意にヴィレッタが尋ねた。 「その事ですが、C.C.が現れなければ学園はこのままなのでしょうか?その……私の任務も……」 「現レナケレバナ。シカシ、目覚メタ場合、ソノ前提ハ覆ル。ソノ場合、最早ソノ学園ニ用ハ無イ。"ルルーシュ"ヲ捕ラエタ後ニ消去スル」 「消す?この学園を?」 カリグラが平然と告げた言葉に、ここに来て初めてロロは瞳を見開いた。 一方で、ヴィレッタは剣呑な表情を張り付ける。 「生徒達は如何なさるおつもりですか?」 「サァ?」 問われたカリグラがおどけた様子で首を傾げると、ロロが食い付いた。 「殺す気ですね……」 「………」 「なっ!?幾ら何でもそれは!!」 ロロの言葉を聞いても否定しなかったカリグラの態度にヴィレッタは慌てた。 すると、カリグラは再び首を傾げると問うた。 「ドウシタ"ヴィレッタ"、情デモ移ッタノカ?」 「そ、そういう訳では……」 ヴィレッタが言葉を濁すと、カリグラは呆れたように溜息を一つ吐いた後、言った。 「アレハコノ世デ一番無駄ナ感情ダ。覚エテオケ」 「それは……経験から来るものでしょうか?」 「……私ノ過去ガ知リタイノカ?」 値踏みするかのようなカリグラの問いに、ヴィレッタは一瞬聞いてみた衝動に駆られた。誰も知らない仮面の奥底に一体どんな過去があるのか、と。だが、直に思い直した。 触れてはいけない。聞いてはいけない。人には分相応な生き方がある。とてもでは無いがカリグラの過去に踏み込める程の器は自分には無い、と彼女は直感的に悟ったのだ。 「い、いえ。ですが、一般の生徒達には何卒寛大な処置をお願いします」 「クハハッ!ソウダナ。オ前ノソノ謙虚サニ免ジテ考エテオコウ」 ヴィレッタの申し出を聞いたカリグラはそう言って肩を揺らした後、話題を変えた。 「トコロデ、近々新総督ガ着任スル。当日ニ至ッテハ、"ルルーシュ"ノ監視ニ機情ノ戦力、ソノ全テヲ傾注シロ」 「どういう事です?」 スザクに対しては、増員はしないと宣言していたカリグラが急に方針転換した事を不思議に思ったロロが問うたが、カリグラは言葉を濁した。 「何レ分カル。目覚メテイレバ、コノ総督着任ヲ見過ゴス事ハ決シテ出来ナイ」 「まだそんな事を――」 「疑念ハ払拭サレテイル。コレガ最後ノ"テスト"ダ」 カリグラは普段と同じようにロロの言葉を遮ると通信を切った。 ロロが銃口を下ろすと緊張が一気に解けたのか。ヴィレッタは肩で息をしていた。 そんな彼女を尻目にロロは振り返ると部屋の角に居たルルーシュに声を掛ける。 「もう大丈夫だよ、兄さん」 すると、ロロに促されるかのように現れたルルーシュが現れた。だが、その額にはうっすらと汗が浮かんでいた。 「何なんだ…彼奴は……」 「あれがカリグラ。枢木スザクよりも厄介な……僕達の敵」 手提げ袋の紐を力強く握り締めたルルーシュは、先程のカリグラの発言を思い起こして再び震えた。 極力目立つ行動は控えるようにしていたルルーシュは、授業にも真面目に出るようになっていた。まともに受けてはいなかったが。 実際、ヴィレッタはルルーシュが真面目に授業に出るようになった事について、特に疑問には思わなかった。 だが、カリグラはそんな些細な変化さえも逆に不自然だと思ったのだ。 「危険過ぎる……」 その異様な洞察力に危機感を抱いたルルーシュが呟くと、励ますかのようにロロが言う。 「でも、やるしか無いんだよ」 ロロの言葉を聞いたルルーシュは、一度大きく息を吸い込むと次には意を決したかのように言った。 「そう……だな。ロロ、お前の言う通りだ。やるしかない。それに、頼もしい仲間も増えた事だしな」 ルルーシュは手に持った袋を再び机の上に置くと、ヴィレッタに視線を向けた。 気付いたヴィレッタは思わず声を荒げた。 「ま、待て!私は――」 「ヴィレッタ、今更何を言うつもりです?あなたはあの男に嘘を吐いたんですよ?」 が、ロロの指摘にカリグラの性格を良く知っていた彼女はもう何も言えなかった。 仲間という言葉を嘲り笑い、部下を駒のように使い捨て、情さえも不要と吐き捨てる。冷徹非情な存在、カリグラ。 そんな男に向けて脅されていたとはいえヴィレッタは嘘を吐いた。一時的なものだったとしてもルルーシュ達の片棒を担いでしまったのだ。 ヴィレッタは「後で正直に告げて庇護を求めるべきか?」と悩んだが、直ぐに諦めた。 正直に話したところで、許しを得られるというイメージが一切浮かばなかったのだ。 「ヴィレッタ先生」 「な、何だ……?」 ルルーシュの言葉にヴィレッタは我に返る。 その時、彼女の瞳に映ったのは包装されたリボンを引きながら、薄紫の瞳に冷たい色を浮かべる魔人の姿。 「Happy birth day」 この日より、魔人と暴君に板挟みにされる事となるヴィレッタ。彼女の苦悩の日々が始まった。 次話 ライカレ厨 41 *